2004/12/06卒論指導レジュメ 010104k 石原佳菜子
卒論全体の流れ
はじめに
第一章 化粧品業界の軌跡から見る化粧品
第二章 化粧品流通の特徴と、それに伴う課題と展望
第三章 化粧品メーカーのグローバルマーケティング
第四章 化粧品の展望(仮)
まとめ
はじめに
女性にとって身近な存在である化粧品。普段何気なく使っている化粧品だが、その化粧品がどのように作られ、どのような経路で自分の手元に届くのか、化粧品産業の構造など、私達消費者はほとんど何も知らないのではないだろうか。それゆえに正しい知識をもって化粧品を選ぶことが今ままで困難だった部分もあるだろう。
例えば、最近よく無添加化粧品という言葉を聞く。2001年以前の薬事法では、化粧品に配合する成分のうち、アレルギーを起こす可能性がやや高いものを「表示指定成分」として、数種の成分を指定し、
これらについては容器などに名前を表示する決まりがあった。それをふまえて考えると、「無添加」という言葉は「表示成分無添加」を短縮した言葉として化粧品会社のみで使用されてきた用語だったといえる。
ところが欧米に習って、薬事法が改定され、2001年3月より、化粧品の「全成分表示」が義務付けられた。これによって、化粧品に配合されている成分を基本的にすべて表示することになった。すると、本来は「表示指定成分」は無くなったはずである。 それはつまり、無添加化粧品という言葉自体も存在し得ないということになる。しかし、現在でも無添加という言葉が使われている。それは、化粧品のPRとして使われていることが多いようだ。これは無添加という言葉=肌に優しい・安心というイメージにつながるためだと考えられる。現在無添加化粧品とよばれている製品にもアレルギーを起こす可能性のある成分が含まれていることもあり、製品を腐らせないようにするために、防腐剤も含まれている。つまり「無添加」という表現を使っているメーカーによって、その言葉の定義は違いがあると考えられるのだ。
しかし、本論文は、そのような化粧品の危険性に関して問いかける趣旨の論文ではない。化粧品が社会に与える影響に関して論じていく。
この無添加化粧品の例のように、今まで日本において化粧品はメーカーにとっては、「製品」というより「商品」、つまり「売上を上げるための物」として扱われ、消費者にとっても化粧品メーカーのブランド名・価格など限られた情報・知識しかない状態で、消費してきた存在だった。そこでまずなぜ日本では、化粧品がそのように扱われてきたのか、化粧品業界の歴史の推移から考えていく。そこで、化粧品、ひいては化粧品産業の構造について詳しく知り、その中で見えてきた問題点や新しい動きが、私たちの生活、つまりは社会にどのように関わっているのかを明らかにしていきたいと思う。
第一章 化粧品業界の軌跡から見る化粧品
化粧品業界に見る興隆の歴史は、日本経済の発展と深い関係にあるといえるだろう。戦後の復興期、高度成長期、オイルショックを経て安定成長、バブル経済期、平成不況など、それぞれの時代で化粧品産業が日本経済とどのような関連性をもって推移してきたかを文献よりまとめる。
第一節 化粧品の定義
第二節
化粧品業界の軌跡<戦後復興期の昭和20年代(再販制度の誕生)・高度成長期の昭和30年代(外資系化粧品メーカーの日本進出、日本の化粧品メーカーの海外進出)・自由化とオイルショックの昭和40年代(市場の拡大)・ハイテクとバイオの昭和50年代(化粧品メーカーの大規模な海外展開)・バブル経済の昭和60年代(流通の変化)・バブル崩壊と規制緩和の平成時代(再販制度の崩壊、規制緩和)
第二章
化粧品流通の特徴と、それに伴う課題と展望
第三章
化粧品メーカーのグローバルマーケティング
第一節 海外ブランド進出の歴史(資本の自由化)
第二節
日本の化粧品メーカーの海外進出(第一章第二節をより詳しく)
第三節
アジア(特に中国)市場向けマーケティング(世界中のメーカーの注目)
第四章 化粧品の展望(仮)
第一節 高齢化社会における化粧品の位置付け
第二節 男性用化粧品の展望
第三節 世界に広がる流通経路
第四節 消費者への知識供給
まとめ